なんで私、
 むち君を拒絶するように
 怒鳴っちゃったんだろう……



 そんな後悔が生まれたのは、
 自分の部屋に戻ってからで。


 この時の私は、
 壁とむち君に挟まれた状況から、
 逃げ出すことに必死で。



「帰る!」

 涙声をぶつけながら、
 むち君の胸を両手で突き飛ばし。

 むち君の前から、走り去った。