動揺しながら目を左右に動かし
こする? 濡らす? 天日干し?
ちっぽけな脳みそフル回転で、制服を綺麗にする方法を考えていると
「今日の俺、めっちゃツイてる~」
彼は両手のピースサインを、真っ青な空に突き上げた。
ツイてる?
入学初日に制服が汚れて、災難降りかかりのアンラッキーなんじゃないの?
心配しちゃうのに、彼の嬉しそうなニヤニヤは止まらない。
「これだけ制服が汚れてたら、新入生一、大注目されちゃうと思わない?」
「そうは……思うけど……」
「入学式で新入生代表挨拶のお声がかかるかなって、ひそかに狙ってたんだ。でも他の中学の生徒会長に取られちゃった。ひどくない?」
ん?
目立ちたがり屋さんなのかな?
「俺って人見知りでしょ?」
「でしょ? でしょ?」と、笑顔で迫られている。
『人見知りには見えないけど……』
なんて本音を吐けるほど、私のコミュ力は高くない。



