「この子、誰?」

「雨宮君の知り合い?」


 雨ちゃんを取り囲む女子たちが

 憎しみに満ちた目を、
 私に突き刺してくる。



 30個以上ある目に捕らえられ、
 品定め状態な私。


 怖さで、冷汗が止まらない。




「この子は、僕の妹みたいなものだよ」


「へ~」


 お姉さま方の敵意……

 怖すぎですから……




「この子、優木望愛っていうの。
 1年生だから、
 みんな仲良くしてあげてくれる?」



 雨ちゃんの艶っぽい微笑みに、
 お姉さま方の態度が、180度豹変。


「望愛ちゃん、よろしくね~」

「私とも、仲良くしてね~」


 ものすごーく、優しい声の大合唱。

 笑顔も、一見、優しい。


 でも……
 

 お姉さま方の瞳の奥は、笑っていない。


 私を排除する気満々な光が

 目の奥で、
 どす黒く淀んでいるんですけど……