むち君の部屋を見上げたまま、熱を帯びた頬を両手で隠している私。
「ランニング、お疲れ様~」
誰かに肩を叩かれたから
「ひゃぁぁぁ!」
私ってこんなに高く飛べるんだ。
自己新記録のハイジャンプ。
オーバーに驚いちゃった。
「望愛、ビックリしすぎ」
「だって雨ちゃんが、急に声をかけるから」
「そんなに驚くってことは、僕に隠しごとでもある?」
うっ、鋭い……
私の前に咲き誇っているのは、心を奪われそうなほどキラキラな王子様笑顔。
でも雨ちゃんの瞳の奥の奥は、闇色に光っているような……
『むち君にキスされたことは、バレないようにしなくちゃ。絶対に』
危機感に襲われ、私はつばをゴクリと飲み込む。



