「むち君、大丈夫?」
「は? なにがっ?」
怒鳴り声、裏返ってるし。
「耳まで真っ赤だよ」
「俺なんかのキスで、望愛がテレるからだろ!」
ひゃっ?!
人工呼吸じゃなくて、さっきのってキスだったの?
「違っ! あれはキスじゃない! ただの妹助けだ!」
慌てふためく声を追加したむち君は
切れ長の目を隠す量に、サラサラ髪を両手で前に集め
「俺は帰る! 後は一人で走れ! サボるなよ!」
マラソン選手並みの綺麗なフォームで、走り去っていったけれど……
さっきのキスはなんだったんだろう?
脳内はハテナとドキドキで埋め尽くされ、走る気力は底をついてしまいました。



