「むち君も雨ちゃんも悪くない。私がダイエットしたいなんて言い出さなければ……」
「じゃあ望愛、走りに行くのはやめよう。朝食を作る僕のこと、ずっと見ててよ」
どんより曇を跳ねのけるようなキラキラ笑顔の雨ちゃんが、私の両肩をガシリ。
「変質者の言うことは無視しろ。走りに行くぞ」
今度はむち君に腕をつかまれ、二人につかまってしまった私。
まさかの不意打ち。
左右から強めの圧で引っ張られたせいだろう。
私の体は横に傾き。
立っていられなくて、よろめいて。
ドンっ!
いつの間にか私の体は、すっぽりとむち君の腕の中におさまってしまったのです。
この状態ってもしや……
抱きしめられてるのと一緒だよね?



