「私の部屋にあるんだけど、
 ついて来てくれる?」


「私なんかが
 お家にあがっても、良いんですか?」


「もちろん。
 私、譲君と中学が違ったでしょ?
 友達に譲君の話をしても、
 カッコ良さを理解してくれないんだよ~」



 お兄ちゃんって、
 見た目はそこそこ良いんだけど。


 背は低いし。

 アニメオタクだったし。


 野球部では、補欠。
 『ベンチの守護神』なんて、呼ばれてたっけ。


 説明するには、
 カッコよさは伝わりづらいかもなぁ。




「譲君との思い出ばなし、
 私の部屋で一緒にして欲しいんだ」



 今も、
 お兄ちゃんを好きでいてくれてるんだ。


 そのことが、嬉しくて嬉しくて。

 私は星羅さんのお部屋に、お邪魔することにした。