ややぽちゃ姫と3人の王子様




「なんで僕たちから逃げようとするかなぁ、望愛」


「俺とアメ、どっちの言うことを聞くつもりなわけ?」


 だから二人とも……

 芸能人並みの美顔を、私の顔に近づけすぎだから……



 上目づかいで、雨ちゃんとむち君の両方を見比べて

 キョロキョロ

 キョロキョロ

 見比べて見比べて……
 

「雨ちゃんごめん、むち君と走ってくる!」


 私は雨ちゃんに勢いよく頭を下げた。

 壁から手を離した雨ちゃん。

 今がチャンスと、私は壁ドン状態から逃げ出す。


 雨ちゃんは納得がいかないもよう。

 透き通る白い頬を、片側だけプクっと膨らまし始めた。