まだ、青く。

「やっぱここ暑いっすねぇ」


杉浦くんが愚痴りながらこちらにやって来た。


「ほんと、さっきまでソフトクリーム食べて涼んでたのに...」


御手洗先輩は手で顔を扇いでいる。


「でもきっと熱さを乗り越えた先にガラスたちの極楽が待ってるんですよ。それを僕達の目でしっかり確かめましょう」


富水くんのその言葉にガラス達はまた喜んでいた。

ガラスと同化してしまった私も

ガラスに命を吹き込む虹森さんも

その言葉に強く胸を打たれた。

ガラス細工はガラスと人のコミュニケーション。

なんの形もない、

なんの色もない、

そんなガラスたちに

人は命を与えることが出来る。

ガラスの生きる明日が

形をもって

色づいて

誰かの生活の一部になって

意味になる。

そうなることを祈りながら、

私は途中から虹森さんに声をかけず、

その大きな背中とガラスとの会話を

この耳で聴いていた。