まだ、青く。

「もしも~し」

「あっ...。す、すみません。ちょっとぼーっとしてて...」

「さっきから話しかけてるのに全然気づかないんだから。もぉ、どこ見てるの?」

「つ、爪先です。この町には刺激が多いので...」


まんざら嘘でもない。

至るところから色んな匂いがして鼻が痛いし、

部活だからサングラスもイヤホンも置いてきちゃったし、

見えるものも感じるものも多くて

もう疲れて来てしまっている。


「もしかして、凪くん?」

「えっ?」


私が顔を上げると、千先輩の前に...

志島くんと目が合ってしまった。

ちらっと振り向いただけなのに、

目が合った、なんて思ってしまう。

私...おかしいな。

志島くんの心は読めないのに、

大きな何かを

すごく強く感じる。

感じてしまう。

胸がズキズキと痛い。