まだ、青く。

「えっ?な、何今の?」

「もしかして...告白?!」


駆け寄ってきた御手洗先輩と杉浦くんに向かって私は首を激しく真横に振った。

首を使い過ぎてこのままだともげてしまいそう。

そうなったらホラーだ。

そうなる前になんとか正常な発声能力を取り戻さねば。

と、思ったものの、

私にはもう、ちゃんとフォローしてくれる人がいた。


「御手洗先輩、俺からお願いがあります」

「何?」


志島くんが私の真横に立つ。

近づくと痛いくらいに感じる

甘くて

でもどことなく爽やかな

柔軟剤の香りが

潮風に乗って

私の呼吸に溶け込んで

私の胸の鼓動を緩めてくれた。


「夏目さんをこの部に入部させて頂けないでしょうか?」


お願いします、と志島くんは頭を下げた。

ひゅーっと風が私を煽ってきて私も咄嗟にお辞儀をした。


「なーんだ、そんなこと」


御手洗先輩の右手が私の肩に、

左手が志島くんの肩に乗った。


「OKに決まってるじゃない。もういつでもウェルカムよ。ね、杉浦?」

「ま、まぁ、そうっすね。ってか、告白じゃなかったんだ...」

「バカ。何でもかんでもそういう方向に考えないでもっと広い視野で物事を見なさい。分かった?」

「すんませーん」


杉浦くんが御手洗先輩からげんこつを1発喰らってその場は和んだ。


この人達が私の居場所になってくれる。

何もなかった私に

初めて光が射し込んだ。

その光が導いてくれたのは、

夕日のように

優しくて

温かくて

眩しい

報道部という

新しい場所だった。

私も...

皆さんに恩返しが出来るよう

全力で頑張ります。

そう、心の中で誓ったのだった。