まだ、青く。

「夏目さんさえ良ければ...」


風の呼吸の合間を縫うように志島くんが話し出した。


「俺達が居場所になる。夏目さんが色んなことを感じられる居場所に...」

「居場所...?」


私が志島くんの方を向くのとほぼ同時に遠くの方から足音が迫ってきた。


「お~い、鈴ちゃ~ん!」

「凪もいるじゃん!何してんだよ~!」


風がびゅーっと激しく吹いて私に答えを急かした。

私は鈍すぎる"直感"というもので感じたはずの言葉を並べた。


「私...感じたいです。周りだけじゃなくていつか自分の心も見てみたいです。だから、その......よろしくお願いします。私の居場所になって下さい!」


勢い余って矢のごとく一瞬で放たれた言葉は潮風を切って的を射った。