まだ、青く。

「私も不安になることはあります。私のことを考えてくれてるかなとか、嫌いになってないかなとか、思わない日はないです。

でも、それ以上に私は凪くんのことを考えてます。

今何してるかなとか、勉強大変かなとか。この前食べたケーキがすっごく美味しかったから、凪くんにも教えてあげたいなとか、一緒に行きたい場所を探してみたりとか。

離れたから分かったこともたくさんあって、離れたからこそ、考えたり、思ったりする時間が増えて、どんどん胸の中の真っ赤な風船が大きくなるんです。

会いたいって気持ちでいっぱいになって、きっと会えた時にすっごく大きな音がして弾けて...

でも、それでも、その大きな感動というか...そういう気持ちになれることを私は肯定したいんです。

それに私は...何よりも凪くんの気持ちを、凪くん自身を信じてます。

心の底から信じられる人なら、どこにいたって、どんなに離れていたって、私は大丈夫だって思えるんです」

「マイナスじゃなくてプラスに捉えてて...さすが天ちゃんです」


潤ちゃんは周りの迷惑にならないように静かにパチパチと拍手をした。

私は熱く語ってしまって火照る頬にペットボトルを当てて急速に冷やした。


「じゃあ、凪くんに会ったら、その想い思いっきりぶつけて下さい」

「はい。もちろんです」


潤ちゃんと私は顔を見合わせて笑った。

微かに開いている窓のすき間から風が吹き込んでくる。

しょっぱい風が青く澄んだ空と、空と溶け合うように遥か彼方まで広がる海を思い起こさせた。

このしょっぱさが消えて

砂糖のように甘くて淡い気持ちになれることを願った。