まだ、青く。

「さてと、そろそろ行きますか」

「はい」

「そうですね。行きましょう」


こういう時に自然と千先輩が先頭を歩くのは、なんだか懐かしい。

そして、さすが千先輩である。


「杉浦元気にしてるかな~」


千先輩が何気なく呟く。


「ふふっ。きっと元気ですよ」


それを聞いて潤ちゃんは小悪魔の笑みを浮かべた。

兆くんに対して厳しいのは変わってないみたい。


「だよね~。さすがに立ち直ったよね~」

「もう違う人探してるんじゃないですか?」

「ははっ。それだったら、逆にショックかも」


色々あって千先輩と兆くんは分かれてしまったらしいけど、兆くんのことだから、きっと笑って迎えてくれるだろう。

今は漁船に乗っている頃だろうか。

元気かな...。

海に落ちたりしてないかな。

なんて海洋学部に入って海の調査ばかりしている兆くんの身を、心の友である私はちゃんと案じながら、バスに揺られた。