「お母さん、行ってきます」

「うん、行ってらっしゃい」


私は母が玄関のドアを閉めるのをガチャッという音で確認してから、マンションを出た。

昊お母さんに挨拶をし、返してもらうのが今の私の当たり前になった。

そして、当たり前に心に感情が宿って名付けることが出来るようになった。

今の当たり前が当たり前になって、私は心から嬉しい。

その嬉しさを共有したい人がいる。

離れていても思い出さない日はない。

そんな大切な人の元に私は向かう。