まだ、青く。

――ポーーーッ!


しばらくして、大きな船の汽笛が聞こえた。

朝日が昇り始め、目の前の存在がより鮮明に映る。

もう朝だ...。

そう思った、

その時だった。


「俺は...」


凪くんの声が潮風に乗って運ばれてきた。

私は凪くんを見つめたまま、深く頷いた。


「俺は...夏目鈴でも流川天でもどっちでもいい。今俺の目の前にいるキミが...キミのことが好きだ」

「えっ...」


思考が止まって、

呼吸が止まって、

時が止まった。

凪くんは...

今...

なんて?

なんて言ったの?

私のことが......。


「俺の記憶の中にずっとキミはいた。忘れてなんかいなかった。
俺はキミを最初に見た時から何かを感じていた。

俺は母さんを守れなかった。母さんの言葉を最後まで信じてあげられなかった。
ありがとうって素直に伝えられなかった。

だから...だから、母さんに伝えられなかった分、ちゃんとキミには伝えないとって、キミを守らないとって、ずっと...再会したあの日からずっとずっと思ってたんだ」


凪くんの手が私の左手首に伸びた。

無意識のうちに私は凪くんからもらったブレスレットを着けてきていた。

私が好きな瑠璃色。

地球の色、

夜空の色、

夜の海の色、

そして、

私達の色。


「これからも色んな感情を一緒に探してほしい。色んな色で俺の心を染めてほしい。

俺は...キミじゃなきゃ...ダメ、なんだ。

だから...俺と...付き合って下さい。

俺にキミを守らせて下さい」