まだ、青く。

――パチ、パチ、パチ、パチ。


4回の点滅。

船が徐々に岸へと近付いてくる。

あれがもし凪くんだとしたら...。


「あっ...」


私の頭に突如名案が浮かんできた。

私はスマホを取り出し、ライトモードにした。

そして、オンとオフを繰り返す。


――パチ、パチ、パチ、パチ。


「な、ぎ、く、ん」


――パチ、パチ。


「い、ま」


――パチ、パチ、パチ、パチ。


「い、き、ま、す」


私はそのメッセージを送り、駆け出した。

手も足も悴んで、感覚なんてまるでない。

会いたい、というその気持ちだけで体を動かし続けた。

でも、徐々にいつもの何倍の距離を走っているから、息は上がり、呼吸が荒くなる。

足がもつれ、蛇行する。

転んじゃダメ。

走らなきゃ。

早く凪くんに

会わなきゃ。


「あっ...!」


気持ちが焦ったからだろうか、

私は前につんのめり、派手に転んだ。


「ったぁ...」


痛いと感じてる。

今までは痛くなかったのに、痛い。

私が感じてこなかったものは、今ははっきりと感じる。

こんなにも感じてるから、

痛みも苦しみも辛さも哀しみも

何だって受け止めるから、

だから...

だから...

お願い。


「凪くん...!」