まだ、青く。

時計の針はくるくる回り続けてあっという間に放課後になった。


「雨宮潤(うる)です。同じクラスになって1ヶ月も経つのにお話していませんでしたね。まさかここで話すのが最初になるなんて思ってもいませんでした」

「あ、あの...私は夏目鈴です。改めてよろしくお願いします」


夕日が差し込み、机や椅子が香ばしい茜色に染まった3階の西側の角部屋。

そこが報道部の部室だった。


「なんだか女子が増えると華やかで良いわね~」

「そうっすけど、男子はますます肩身がせまくなりますよ。そもそもっすけど、御手洗(おてあらい)先輩がいらっしゃるお陰で、その対処に俺たち男子は心労を重ねちゃってるんですから~」

「あのね、何回おんなじこと言わせんの!アタシはおてあらいじゃない!みたらいだから!」


ふふふっとお上品に口元に手をやる雨宮さん。

女子の私の目から見てもとんでもなく可愛い。

身長はざっと見150センチ前後で華奢。

さらさらの黒髪は腰の辺りまで伸びていて枝毛なんて1本も目につかない。

目は真ん丸でくりっとしていて、まるでお月様のよう。

唇もぷるんとしていてこんにゃくゼリーくらい弾力があって美味しそうだし。

なんて...私ジロジロ見て変態みたい。

やめよう。

総括すると、

雨宮潤ちゃんは

天使だ。