まだ、青く。

「あのさ、良かったら今日うちの部室に来ない?杉浦にちゃんと説明したいだろうから貸してあげるよ。その代わりうちの部の見学もしてって。何せ新入部員確保しなきゃなんだから。で、いい?」

「あっ、はい」


勢い余って、はいと言ってしまった。

それよりやらなきゃならないことあるのに...。

そう。

私のやらなければならないことは...

手紙の返事。

これしか、ない。

でも、訂正なんて出来ないし、

この局面を乗り越えるにはなんとしても

この杉浦くんという方への説明が必要だ。

仕方ない。

今日のところは誤解を解くことに専念しよう。


「じゃあ決まりね。よろしく鈴ちゃん」


御手洗先輩が私に眩しい笑顔を向けてくれた。

雲がかった私の胸に一筋の光が射し込んだ。


「はい。こちらこそよろしくお願いします」


色んな人のアシストで、ひとまずピンチを切り抜け、ほの温かい心を抱えて教室に向かったのだった。