凪くんとはここ2週間会ってはいるけれど、まともに話をしていなかった。

凪くんのお母さん...夕さんのことを知ってしまってから、凪くんは落ち込んでしまったのか、何か思い悩んでしまったのか、理由は分からないけど、凪くんの中で何かが起こって口をつぐんでしまった。

同じクラスの兆くんは授業中も凪くんをちらちらと見ているようだけど、これといって変わった様子はないらしかった。

でも、部活には来ない。

自分の担当を終えたら兆くんに渡して早く帰るようになってしまったのだ。

それはつまり...

私に会いたくないってこと。

私に会いたくないのには、きっと理由があって、

それは多分...昊さんと関係がある。

でも、昊さんのせいにするのも違う気がした。

私があまりにもポンコツだから、愛想尽かされちゃったのかな、とか、

凪くんの琴線に触れるようなことを無意識のうちに言ってしまったのかな、とか、

そう考えることにした。

それに思い当たる節もある。

こうなったのは仕方がないとも思う。

だけど...

私はまだ、諦めたくない。

凪くんとまた話したい。

凪くんにまだ伝えてないことがあるはずだから。

ううん、あるんだ。

この胸のつかえは

モヤモヤは

凪くん由来だから。

これを吐き出して透明になるまで、

私は諦められない。