まだ、青く。

「こんなものしか出せなくてごめんなさい。ワタシ独り身で」

「いえ。お心遣いありがとうございます」


独り暮らしの部屋に3人となると、普通だったらかなり狭く感じると思うけど、この部屋にはムダな物がなく、圧迫感が少ない。

まるで隙間だらけの世界だ。

小さな穴のどこからも風が吹いてきて、

それがたまに強かったりすると、

枝が揺らされてポキポキと折れてしまう。

その折れた欠片を拾い集めて生きているような...

そんな重くて苦しいオーラがこの部屋全体にまとわりついている。

息苦しさを強く感じる。


「今日はどういったご用でこちらへいらしたの?」


女性は痩せこけた頬を必死に動かし、言葉を繕った。


「鈴さんが流川さんにお会いしたいということで参りました」

「そう...。この子が...」


女性は私に向かって手を伸ばしたが、途中で手を引っ込めてしまった。

目には見えない心のキョリが私には眩しいほどにはっきりと見えた。

それは16年という月日が流れてしまった確固たる証だった。


「鈴さんっていうのね。ワタシは流川昊と言います。あなたの......あなたの......」