まだ、青く。

「夏目は東京初めて?」


必死に流れに乗ろうと足を素早く動かしていると、凪くんがちらりとこちらを振り返った。

その横顔が都会の空の下でもすごく美しく澄んで見えて、呼吸を一瞬忘れてしまった。


「夏目?」

「あ、えっと...あ、その...私産まれたところは東京なので、初めてではないはずなのですが、半年くらいしかいなかったのでほとんど覚えてません」

「じゃあ、実質初めてだな」

「そうなんです...」


緊張で手汗がびっしょりなのだけど、凪くんに迷惑をかけてないだろうか。

なんて心配をしている間に改札が見えてきた。

凪くんは私の手を握ったまま、改札脇の券売機まで歩いた。