まだ、青く。

話を終えた母に私は聞いた。


「渉は知ってたの?」


母はうんと頷いた。


「小4の時だったかな?渉が昊さんからの手紙を見つけて中身を読んじゃったらしくて。それを読む前から鈴とおれは全然顔も性格も似てないから他人みたいだって言ってたんだ。まさかそんなにも早くばれてしまうとは思わなかった」


父はリビング脇の和室にある引き出しから箱を出してきた。

東京に家族で旅行をした時に買ってきた"東京バナナ"の箱だった。

おそらく、これは10年くらい前のもの。

今は違う味が発売されているかもしれない。

なんて、少しだけ現実から目を反らしてみる。


「ここに昊さんからの手紙が入ってる。毎年必ず誕生日に送ってくるんだ。だから、きっと今年もまた送ってくるんだろうな、12月26日に...」

「そうね...」


私は恐る恐る蓋を開けた。

そこには、空色の封筒がいくつも重なって入っていた。

私はそれを全て取り出して胸に抱いた。

ここに私への愛が詰まっている。

私が受け止めて来られなかった感情が確かに存在する。

それが腕を通してヒシヒシと伝わってくる。


「それは鈴に託すわ。もともと鈴宛だったんだし、鈴ももう17歳。テレビに出ちゃうくらい立派に成長出来たんだもの、あとは自分でどうしたいか考えなさい。分からないんじゃなくて、分からなくても答えを出して進んで」