まだ、青く。

「...どうした?」


しゃがみこんで床をじっと見つめていると頭上から声が降ってきた。

私はゆっくりと顔を上げ、助けを乞うようにその瞳を見つめた。


「皆の分?」

「はい。買って帰ろうとしたら落としちゃって」

「自分も転んだ?」

「はい...」


言いながらなんだか胸がぎゅーっと締め付けられて、苦しくなって、目の奥からじわじわと泉が湧いてきてしまった。

決壊したら大変なことになる。

私はブレザーの裾をぎゅっと握りしめて、鼻のツーンとした鋭い痛みと目の奥の熱に堪えた。


「夏目」


凪くんがペットボトルを拾い集め、ボウリングのピンのように階段の隅に並べると、私の隣に腰を下ろした。


「悩み事あるなら聞かせてほしい」

「悩みというかなんというか...」


私がそう言って黙り込んでしまうと、凪くんは背負っていたリュックを下ろして中から何かを取り出した。


「あれ、夏目が俺のために買ってくれたんだろ?」


凪くんが指差したのは、緑茶だった。

地元の茶畑で採れた茶葉を使った名産品で、凪くんのお気に入り。


「これ、お返しな」


凪くんから手渡されたのは、レモンサイダーだった。

初めて会った日もこれをもらった。

飽きずに飲める味で、きっとこれが私の"好き"な飲み物なんだ。


「ありがとうございます...」

「それ飲んで落ち着いたら部室にいこう」

「はい...」