まだ、青く。

午前10時。

いよいよ文化祭がスタートした。

出海高校の文化祭は1日だけ。

保護者から近所の方々まで、とにかく多くの人が訪れる。

クラスの出し物はもちろん、私達みたいに部活単位でやったり、委員会で展示を行ったりなど、内容は盛りだくさん。

正直休憩時間はほぼ無いけど、たくさんの人が笑顔になって笑い声が溢れるこの日は、私の耳も雑音には聞こえないし、心も穏やか。

幸せに包まれた空間にいて、そこの空気を吸えるだけでも十分生きている心地がする。

ということで、今年は私もその幸せを作る側にならなければならないから、今ここにいるのだ。

私の占いの空間はプライバシーを守るためにテントの中だから、外の様子は分からない。

それでもなんとなく人の出入りが激しいことだけは、なんとなく感じていた。

私は1人1人と向き合い、3分で結果を出せるように努力した。

とにかく集中をしてなぞる指に力を込める。

そうすると、3秒でイメージが浮かび上がってきて、後はその特徴を忘れないうちにカウンセリングシートに書くだけ。

ちなみにその紙は涼介くんがちゃちゃっと作ってくれたもの。

項目が予め用意されているからすごく書きやすくなった。

涼介くんには本当に感謝だ。

そして、紙が完成したら本人にお渡しして軽く説明をする。

最後に

「◯◯さんの恋が実りますように」

という決め台詞を言って終了。

この一連の流れを繰り返した。

ずっと話しっぱなしで口が疲弊してきた頃、ようやく休憩の時間になった。