まだ、青く。

撮影会の後は予定通り海鮮丼を食べ、銭湯で汗を流してテントに戻ることになった。

行きは兆くんが頑張ってくれて、日中の移動は涼介くんが乗せてくれたから、最後は凪くんの後ろだった。

1度乗ったことがあるとはいえ、緊張はしていたはずなのだけれど、

気がついた時にはその体温に安心したのか、眠りに落ちていた。


「夏目」


遠い意識の中で声が聞こえた気がし、私は目をこじ開けた。


「ん?ふわぁ...。あっ、す、すみません!乗せてもらっている身なのに寝てしまって」


私は慌てて自転車から降り、ぺこりと頭を下げた。

早くテントに戻って今夜の反省会の準備をしないと...。

そう思い、駆け出そうと踵を返したのだが...。


「今日は反省会無いよ」

「えっ?」

「だから、その...話、しようと思って。先輩にはもう断ってある」


話...?

それって、

私とってことだよね?

もしかして凪くんも、

私と同じこと、

思ってたの?


髪が潮風に揺れ、視界を覆う。

耳にかけてもまた覆う。

そんなのを何度か繰り返していると、凪くんも自転車から降りた。

がしゃんっとブレーキをかけ、砂浜の脇の舗装された道に停めた。


「行こう、こっち」

「は、はい」


私は凪くんの背中を追って歩いた。

その先に何があろうと私は凪くんを信じるしかなかった。

ううん、

もう信じてるから、

大丈夫なんだ。

話そう、ちゃんと。

向き合おう、この胸のモヤモヤと。

そして、確かめよう。

凪くんの思いを。

私は凪くんに気付かれないように軽く頬を叩いて気合いを入れた。