まだ、青く。

目が覚めた時には朝日がすっかり顔を出していた。


「うわっ!」


違和感に気付き体を起こすと、私の体から何かが落ちた。


「砂...?」


だけじゃない。

それは風に吹かれて翻る。


「ダメ!待って!」


追いかけようと思って走り出すと、


「うわっ!」


思い切り前に転んだ。

柔らかい砂の上だからまだ良かったけど、

これがアスファルトだったら相当痛かっただろう。

あの日のように

泣いていたかもしれない。


「夏目!」


声が聞こえて咄嗟に起き上がった。

朝1番に聴いたその声は、私の人生の中で1番透明感があって爽やかな声だった。

その声の主は風に飛ばされたタオルケットを拾い上げてから、颯爽と駆けてきた。


「大丈夫?」

「はい。大丈夫です」

「砂の上に寝てたみたいだけど」

「あっ、はい...。けど、それも大丈夫です。眠れなくてテントから出て歌を歌ってたら寝落ちしちゃったんです」


その発言に凪くんはぷふっと吹き出した。

朝から花火のように鮮やかなこの笑顔を見られるとは...。

今日は良い日になるのかもしれない。


「こっちは心配してたっていうのに、あっけらかんとしてるな。調子狂う」

「ごめんなさい。私、そういうことばかりで...。あの、もしかしてそのタオルケットも凪くんが?」


凪くんは口元を押さえながらこくりと頷いた。


「わざわざタオルケットまで...本当にすみません」

「起こすか迷ったんだけど、気持ち良さそうに寝てたから起こさなかった。ま、結局15分くらいで起きたけど」

「それはそれは、本当にすみま...」