まだ、青く。

ふぅ...。

千先輩に救われ、ようやく呼吸を思い出した。

酸素が美味しいです。


「夏目」

「あっ、すみません。今すぐ残りやります!」

「いや、違う」

「えっ?もしかして違う切り方...」


凪くんと...

目が合った。

今日ようやく、瞳を見れた。

その透き通った

宝石よりも

海よりも

美しい瞳を...。


「ごめん。勝手に、その...手掴んで」

「あっ...。いえ、その...だ、だだ、だだ大丈夫です。わ、分かりやすかったですし、これで良く切れます。ほら」


誤魔化すように包丁を握り、玉葱にメスを入れた。

思った通り、スパッと切れた。


「凪くんのお陰で玉葱が痛いと言わなくなりました。ありがとうございます。この調子で残りも頑張ります」

「そ、そうか。なら、いい...」

「はいっ」


私はその跡も野菜たちと格闘し続けた。

茄子はヘタを取ってから切った方がロスが少なくなると教わり、縦半分に切った。

ピーマンは種を飛び散らせながらも、なんとか半分に切ることが出来た。

キャベツは危険だからと凪くんが切ってくれた。

1玉をパッカーンと半分にした時、キャベツから桃太郎が産まれたように見えたのは完全に私の幻想だと思う。

どうにかこうにかして、なんとか予定時間の18時30分までに全ての材料を焼き始めることが出来た。