まだ、青く。

「凪、だな」


パンッと胸の風船が弾け飛ぶ音が聞こえた。

破裂した風船は粉々に砕かれ、血液の流れに乗って内臓という工場に運ばれた。

燃やされて燃やされて熱くなる。

細胞が震えて、

汗が吹き出て、

手が痺れてくる。


「すっごい動揺してるな。心当たり大ありみたいだな」


もはや、頷くことさえ出来なかった。

私は足を止めて爪先を見つめた。


「もしかしてあの日か?鈴のすけの弟の...名前は...」

「渉」

「そう、渉だ、渉。あの時、渉が凪に言ったんだよな。これからも鈴をお願いします、みたいなこと。なんつうか、すっげー弟だなとは思ったよ。

...ってか、そこじゃねぇか。

その後、凪呆然としちまって、帰りも全然話さなかったんだよな。アイツもアイツでなんかおかしいってかさ。

凪鈴コンビこんなギクシャクしてたっけ、って思ってたけど、まさか本当にそれで?」


こくりと頷くしかなかった。

兆くん、気づいてたんだ。

なら、千先輩くらいは気づいてるはず。

もしかしたら今日もそういう意図があって話しかけてくれていたのかもしれない。

それなのに私は...

突き放すようなことばかり言って、

全然頼ろうとしなかった。

抱えきれないなら潰れる前に

頼らなきゃならないのに...。

私ってほんと...


バカだ。