まだ、青く。

「鈴のすけ~」

「あっ、兆くん...」


ビーサンを突っ掛け、タンクトップとハーフパンツ姿になった兆くんがやって来た。


「一体何の真似だよ。鈴のすけさぁ、今日はほんとどうかしてるよな?」


もちろん、私の異常っぷりも気付いていた。


「ごめんなさい...」

「謝んなくてもいいけど、理由くらい聞かせてくれよ。ほら、オレばっか相談に乗ってもらって悪いじゃん。だから...」


心配かけちゃってる。

きっと兆くんだけじゃない。

皆にも、嫌な思いをさせちゃってる。

こんな私のために

皆が辛い思いを...。


「鈴のすけ、仲間とは分け合うもんだぞ」

「えっ?」


兆くんが私の目の前に手を差し出す。

日に焼けてこんがりと美味しそうなきつね色になった大きな手のひらを、私は無性に握りたくなった。


「買い出し行きながら話聞く。オレ、こー見えても口は固いんだ。絶対誰にも言わない。だから、教えてくれ。鈴のすけの顔をこんなにも暗くするモヤモヤの正体を。オレならいいだろ?...なっ?」


仲間とは、

分け合う、か。

このどうしようもない心も

分けあって良いのだろうか。

......ううん。

聞くまでもない。

大丈夫って言ってる。

兆くんの手がそう言っている。

だから、

大丈夫、なんだ。


私はその大きな手のひらに

自分の手のひらを重ねた。


「おっけ。任せとけ」


太陽より兆くんの笑顔の方が

何倍も

いや、

何十倍も

眩しいと思った。