まだ、青く。

「お~い、鈴のすけ。ミニトマト落としたぞ~」

「えっ?あっ...」


知らぬ間にミニトマトが箸からすり抜け、斜め向かいの兆くんのところまで転がって行ってしまった。

おむすびころりんならぬ、

ミニトマトころりん...。

私としたことが...。


「オレがこれ食べるから、鈴のすけは新しいの食べろ。あっ、そうだ。凪トマト嫌いだから、良かったら凪の分も食べてやって」

「えっ...」


凪くん、トマト嫌いだったんだ...。

初めて知った。


「あっ、そうでした!凪くんがトマト嫌いなのを思い出して、代わりにこれを持って来たんです!」


――パカッ。


軽やかな音の向こうにあったのは、鮮やかとはほど遠いオレンジ色だった。


「あっ!これ!南瓜の煮物じゃないですか?!ボクも好きなので1つもらっても良いですか?」

「どうぞ、遠慮なく。凪くんも食べて下さい」

「うん。わざわざありがとう、雨宮」

「いえ...」


隣に座る潤ちゃんの顔をちらっと盗み見ると、頬はトマトのように真っ赤だった。

サンドイッチをリスのように高速でもぐもぐし、その真っ赤な頬にため込んだ。

私には見える。

淡いピンク色が、

だんだんとショッキングピンク色に変化していく。

そのグラデーションが美しくて

思わず目を反らした。