まだ、青く。

「ところでですが...鈴の想い人はどなたでしょう?最近うちの鈴の様子がおかしい気がしまして」

「ちょ、ちょっと渉!何言ってるの?!」


渉はとんでもない爆弾を落とした。

何よ、想い人なんて。

この前言ったじゃない。

私は好きが分からないって。

そもそもなんでこのタイミングでそんな質問をしてくるの?

意味分からないよ。

私があたふたしていると、千先輩がニヤニヤしながら声を発した。


「さては渉くん、姉ラブだな?」

「まぁ、はい。ドジで抜けてるところもありますが、大好きです」


こ、この子は何を言ってるの?

胸がむずむずするし、熱い。

まるで寝苦しい熱帯夜のよう。

早くここから抜け出したい。


「姉は今までおれたち家族以外の人間とは一定の距離を取って生きてきました。井の中の蛙、かごの中の鳥...まぁそんな感じだったわけです。

そんな姉に1歩踏み出す勇気を与えてくれたのはどなたなのか知り合いんです。弟として知る権利があると思います。
もうおれの把握している行動範囲から逸脱したわけですから。

教えてください。お願いします」

「それはね...」


千先輩がスタスタと歩み寄り、肩をトンっと叩いた。


「凪くん、だね」