まだ、青く。

「全て拝見させて頂きました」


じっくりと舐めるように見ていた渉が口を開いたのは、オープンスクール自体の終了時刻の10分前のことだった。


「熱心に見てくれてありがとう。どう?興味少しは持った?」

「少しどころではありません。とても感銘を受けました。

正直姉が入るまで報道部の存在は知らなかったのですが、知らないなんて勿体ないと思いました。

"伝える"というのは人間誰しも毎日していることですが、上手く伝えられていなかったり、そもそも言葉に出来なかったり、すごく難しいものだと思うんです。

けれども、その難を乗り越えてこのような素晴らしい新聞の数々を作り上げられていらして、本当に鳥肌が立ちました」


その弟のコメントに私の方が鳥肌が立った。

全然感じ取れていなかったけど、

本当に渉は大人になっていた。

もしかしたら私より何倍も大人なのかもしれない。

なんて、思った。


「いやぁ、そんなに誉められると照れるなぁ」


千先輩がほんのりと頬を明らめながら、渉に言った。


「マジで嬉しい。渉くん、今日は来てくれて本当にありがとう。君の言葉を胸に留めて今後の活動も頑張るよ」


兆くんが渉に歩み寄り、固い握手を交わした。

これでお開きかと思われたが、渉はにやりと笑って私を見た。

背中に汗がたらーっと流れたその時だった。