まだ、青く。

時計の針が11時30分を指している。

予定ではこの時間で学校説明が終わり、部活動見学をしたい人は自由に見学できる。

いよいよ、私の前に渉がやってきて査定を始めるんだ。

うぅ...緊張する...。


「鈴ちゃん、どうしました?顔色が優れないようですが」

「弟に見られるのかと思うと緊張してしまって...。でも、大丈夫です」

「鈴のすけ、ほんと大丈夫か?飴でもなめる?」


なぜ飴?

このタイミングで飴を差し出してくる兆くんはやはりちょっと変わっている。


「ほれ、口開けて」

「でも...」

「遠慮するなって。飴なんて40こ入って198(いちきゅっぱ)なんだから。そんなべらぼうに高いものじゃね~んだし」

「だから、その...」


あ~んされるのが嫌なのに。

この歳でそれは恥ずかしいよ...。

伝えられずに困っていると、

ドアがコンコンと音を立てた。


「失礼します」


そう礼儀正しく挨拶をして入って来たのは、

渉だった。