君じゃなきゃ。



「俺が甘いのはさくら限定なんで~」

程よく酔った顔を緩ませてメグミに言うと健人は一人で前を歩き始めた。

「あは……本当、積極的っていうか大胆っていうか……ドキドキできていいよね」

「まぁ……たまにならいいんだけどねぇ。いつもこうだと……」


なんて返事をしながらメグミを見ると続きの言葉が出てこなくなった。



メグミの視線が……街路樹とか地面だとか、あたしでもなくて


健人に向かっていて。




しかもちょっと愛おし気な顔……。



え……ちょっと……メグミ……?