その心地よさを噛み締めていると、あたしの手から頬を離した健人が真っ直ぐ見つめてきた。 この目、知ってる。 可愛い目をしてても、瞳の奥に熱を秘めた目。 「さくら、明日休みだよ?」 「う、うん……知ってる」 「今日、ゆっくりできるよね?」 「……うん、特に明日も予定入ってないし……」 健人から目を逸らしても完全には逸らしきれない感じ。 もう、健人の目が焼き付いて離れない。 予想以上に高なる心臓がうるさい。