君じゃなきゃ。



先輩が荷物を手渡してくれた時、資料が落ちた。


幸いファイルだったので散らばらなくて済んだし、何よりパソコンじゃなくて良かった。


「あ~ごめんごめん」

「あ、あたしが拾いますよ」


あたしと先輩が一緒に資料を取ろうとかがんだ。


……それと同時にまたエレベーターがチンッと高い音を立てて到着した……。



「キャッ」

「うわっ」


あたしと先輩はお互い同じタイミングでかがんだせいで、オデコをゴツンッとぶつけ合ってしまった。



先輩の息が唇にかかる……。