それは次号紹介のページだった。
なんと北斗が載っているではないか。
デート特集、というのは知っている。
女子中高生向けの雑誌でよくあるのだから。
彼氏や、好きなひととのデート。
どういう服を着ていくとか、あるいはこういうふうに振る舞ったらいいのか。そのアドバイスのような特集だ。
でもそれより問題は、その『デート特集』に、北斗が載っていることだった。
美波の心臓が、どきっと高鳴った。
ここに乗っているという意味も知っているのだ。
つまり……、モデルの女の子の相手役、いや、もっとはっきり言えば、彼氏役として出演するという意味。
北斗が。
モデルの女の子と。
デートという設定で、雑誌に載る。
美波はひとつずつ噛み締めて、そしてざわりと胸の中でなにかが騒いだ。
「えーっ! 北斗くんとデートできちゃうなんて、うらやましすぎる!」
あずみは多分、美波とは違う意味で衝撃を受けたのだろう。
友達が「いや、本当のデートじゃないから」と突っ込んでいたけれど、あずみは「設定だけでもうらやましい!」と言っていた。
なのに、美波はなにも言えなかった。
デート。
考えたことがなかった。
そして次に、違うことに戸惑った。
どうして胸がざわっとしてしまったのだろう。
友達が言った通り、これはただの『設定』で、本当に彼女役の女の子と付き合っているわけではないのだ。
それでも、ざわめきは収まらない。
そこへとどめを刺すように、友達の言葉が突き刺さってきた。
「相手役、向坂 聖羅ちゃんじゃん! すっごい!」
向坂 聖羅。
その名前には聞き覚えがあった。美波はすぐに気付いた。
名前と、それから写真を見ればすぐにわかって当然だ。
写真の中。
北斗と共に、『デート特集』のコーナーに笑顔で写っているのは、少し前、北斗を迎えにスタジオの前で、出くわしたあの子ではないか。
茶色の巻き髪をして、前髪を分けた、すごい美人。
この子が?
設定っていうだけでも、北斗とデートをするの?
美波はざわめく胸を抱えながら、少しぼうっとしてしまった。
なんと北斗が載っているではないか。
デート特集、というのは知っている。
女子中高生向けの雑誌でよくあるのだから。
彼氏や、好きなひととのデート。
どういう服を着ていくとか、あるいはこういうふうに振る舞ったらいいのか。そのアドバイスのような特集だ。
でもそれより問題は、その『デート特集』に、北斗が載っていることだった。
美波の心臓が、どきっと高鳴った。
ここに乗っているという意味も知っているのだ。
つまり……、モデルの女の子の相手役、いや、もっとはっきり言えば、彼氏役として出演するという意味。
北斗が。
モデルの女の子と。
デートという設定で、雑誌に載る。
美波はひとつずつ噛み締めて、そしてざわりと胸の中でなにかが騒いだ。
「えーっ! 北斗くんとデートできちゃうなんて、うらやましすぎる!」
あずみは多分、美波とは違う意味で衝撃を受けたのだろう。
友達が「いや、本当のデートじゃないから」と突っ込んでいたけれど、あずみは「設定だけでもうらやましい!」と言っていた。
なのに、美波はなにも言えなかった。
デート。
考えたことがなかった。
そして次に、違うことに戸惑った。
どうして胸がざわっとしてしまったのだろう。
友達が言った通り、これはただの『設定』で、本当に彼女役の女の子と付き合っているわけではないのだ。
それでも、ざわめきは収まらない。
そこへとどめを刺すように、友達の言葉が突き刺さってきた。
「相手役、向坂 聖羅ちゃんじゃん! すっごい!」
向坂 聖羅。
その名前には聞き覚えがあった。美波はすぐに気付いた。
名前と、それから写真を見ればすぐにわかって当然だ。
写真の中。
北斗と共に、『デート特集』のコーナーに笑顔で写っているのは、少し前、北斗を迎えにスタジオの前で、出くわしたあの子ではないか。
茶色の巻き髪をして、前髪を分けた、すごい美人。
この子が?
設定っていうだけでも、北斗とデートをするの?
美波はざわめく胸を抱えながら、少しぼうっとしてしまった。