見たことのない男だけれど、同年代くらいでかなりの美青年だ。


こんな時だけど、魅入ってしまいそうになる。


「淳士……」


友香が小さな声でそう呟いた。


淳士。


それが男の名前らしかった。


淳士はチラリと友香へ視線を向けたが、興味なさそうに顔を背けてしまった。


熱さのせいか、不機嫌そうな顔をしている。


「この人、誰?」


あたしがそう聞くと、友香は「元カレ」と、短く答えた。


これが友香の元カレ?


さっきから冷たい態度なのは、もう別れているからみたいだ。