バスに乗って5つめの停留所。


昔ながらの大きな家で、長い休日には親戚が集まって来る。


あたしの大好きな人が住む家。


一瞬、首を吊った祖母の姿が浮かんできたけれど、すぐにかき消した。


「おばあちゃん」


あたしの答えにお母さんは驚かない。


あたしが祖母の死体を発見したときに、なんとなく気が付いていたのだろう。


《正解です!》


その答えにあたしはホッと胸をなで下ろした。


拘束されているお母さんも安堵した表情になり、あたしを見て大きく頷いた。


心配しなくていい。


そう言われているような気がした。