1、プロローグ



ある夜静かな街に1つのサイレンの音が鳴り響いた。

「お母さん！お父さん！ヤダ1人にしないでっ！」

少女、花咲莉音は静かな夜の街で事故で倒れた両親に向かってただ泣き叫んでいた。

やがて何台かの救急車が来ると辺りは野次馬達で騒がしくなっていった。

莉音は救急車に乗ると両親の手を握りしめ何度も何度も呼びかけていた。

何時間経ったのだろう。病院で莉音の両親が息を引き取った。

「いやぁぁぁぁぁ!!」

莉音は一人もうこの世にいない両親に向かってただひたすら泣き叫んでいた。

病室には莉音の泣き叫ぶ声だけが響き静かな夜の街にとけていったのだった。