「はぁ…」
まだ夢を見ているようだった。
婚約者の存在を知りお城を出ていこうとしたらウィルにプロポーズされた。
一日に色んなことがありすぎて混乱している私に「返事はゆっくりでいい」と言われ、約一週間が経った。
それでも答えが出ず、ベッドに横になってそ左手の薬指に嵌められた指輪を見つめる。
「結婚…か」
私の一族、ヴァンパイアは同種族同士でしか結婚できない。
人間とヴァンパイアでは生きる時間の長さが違うからだ。
長命種であるヴァンパイアは、人間の血を飲み、弱点である太陽に晒されなければ永遠に生き続けることができる。しかし人間は100年程しか生きられない。
だから人間と結婚しても幸せにはなれない。
答えは2つ。
ウィルとの結婚を断るか、彼をヴァンパイアにするかだ。
そんなの選べるわけがない。
ふと、部屋の隅にある魔法のほうきが目に入った。
西の森に住む魔女。
彼女は確か、どんな医者でも治すことのできない病気を治す方法やあらゆる魔術を知っている。もしかして彼女なら、私が人間になる方法も知っているかもしれない。
夜、いつもの時間にウィルが部屋のドアをノックする音がした。
私は咄嗟に布団に潜って寝たフリをした。
「ルナ?」
返事がないのを心配して部屋に入ってきたウィルが、ベッドへと腰を下ろした。
サラサラとシーツに流れる髪を手で梳いている感触が擽ったかった。
あれから私は彼を避けている。
気恥ずかしくて顔が見れないのもあるが、彼は一国の王だ。
ヴァンパイアと結婚としたら、彼の評判を落としてしまうかもしれない。
そう思うと、彼に触れるのが怖くなってしまった。
「おやすみ、ルナ」
おでこに唇を落とし、彼は部屋を後にした。
その優しい口づけに思わず涙が出る。
こんな私でも、愛してくれる人がいることに。
彼が好きだ。だからこそ、決断しなければならない。
私はその夜、お城を出て行った。
まだ夢を見ているようだった。
婚約者の存在を知りお城を出ていこうとしたらウィルにプロポーズされた。
一日に色んなことがありすぎて混乱している私に「返事はゆっくりでいい」と言われ、約一週間が経った。
それでも答えが出ず、ベッドに横になってそ左手の薬指に嵌められた指輪を見つめる。
「結婚…か」
私の一族、ヴァンパイアは同種族同士でしか結婚できない。
人間とヴァンパイアでは生きる時間の長さが違うからだ。
長命種であるヴァンパイアは、人間の血を飲み、弱点である太陽に晒されなければ永遠に生き続けることができる。しかし人間は100年程しか生きられない。
だから人間と結婚しても幸せにはなれない。
答えは2つ。
ウィルとの結婚を断るか、彼をヴァンパイアにするかだ。
そんなの選べるわけがない。
ふと、部屋の隅にある魔法のほうきが目に入った。
西の森に住む魔女。
彼女は確か、どんな医者でも治すことのできない病気を治す方法やあらゆる魔術を知っている。もしかして彼女なら、私が人間になる方法も知っているかもしれない。
夜、いつもの時間にウィルが部屋のドアをノックする音がした。
私は咄嗟に布団に潜って寝たフリをした。
「ルナ?」
返事がないのを心配して部屋に入ってきたウィルが、ベッドへと腰を下ろした。
サラサラとシーツに流れる髪を手で梳いている感触が擽ったかった。
あれから私は彼を避けている。
気恥ずかしくて顔が見れないのもあるが、彼は一国の王だ。
ヴァンパイアと結婚としたら、彼の評判を落としてしまうかもしれない。
そう思うと、彼に触れるのが怖くなってしまった。
「おやすみ、ルナ」
おでこに唇を落とし、彼は部屋を後にした。
その優しい口づけに思わず涙が出る。
こんな私でも、愛してくれる人がいることに。
彼が好きだ。だからこそ、決断しなければならない。
私はその夜、お城を出て行った。


