転校生のスマホを借りて、自分のスマホ探しをしたら…少し遠くに落ちていた。




『ありがとう、あった』

「良かったな」

『次、授業受けないの?』

「あと少しで戻る」





私は、転校生を置いて一足先にクラスへ戻った。




「あった?」

『落ちてた』

「よかったね」




友達と会話しているのに、どこか上の空の自分。

クラスに戻った今も抱きしめられた感覚が、消えなかった。



転校生は寝ぼけていたのかな。

温まりを求めて抱きしめてきたのかな。


それとも、故意で?







転校生は、彼女がいるはずなのに…

私からしたらありがた迷惑な話だった。