どうして産まれてきてしまったんだろう。 愛されていないのに。 何度、言われたことか。 あんたさえ、いなければ。 あんたなんか産むんじゃなかった、と。 最後に、あのひとから名前を呼ばれたの、いつだっけ。 泣けば、ぶたれるから、泣くことさえ許されなかった。 「辛かったですね。琴センパイ」 「……っ」 「もう、大丈夫ですよ」 知られたくなかったのに。 これ以上、みじめな思い、したくないのに。 よりによって 自分よりも小さな少年に―― 「オレがいますから」 すがってしまいそうだ。