世にも歪な恋物語




 ――――!


「このマンション。高層なのに、オートロックついてなくて。下はコンクリートで。最適ですよね」

「……まさか君。私が、そこから飛び降りるとでも言いたいの?」

「はい。そろそろ、センパイの灯り。消えちゃいそうですから」


 ……私の、あかり?


「毎日部活でもないのに下校時刻まで図書室に残るのは、そうまでして家に帰りたくない理由があるから。図書室では読みたい本は、もう、すべて読んじゃいましたか」


 ある日、うちに帰ると、知らない男がいた。

 そいつは母から当たり前のように愛されている。


「私。いらない子なんだって」


 母は、あの男の前では、よく笑う。


 けれどわたしには

 一度だって、笑いかけてくれたことない。