「ほんま。どんくさいなあ」 鈍い、ノロマ、抜けている。 そんな意味あいの――本来なら到底喜ぶべきものでない言葉を、かけられてしまう。 ……が。 それを、受け入れてしまう自分がいた。 和葉さんが、はにかんで 【どんくさい】って言うと、胸が、トクンと音を立てる。 悪い気はしない――――って 今は、喜んでいる場合じゃなくてっ……! 「ちょっと待ってな」