ねえ、シホちゃん。 本当に覚えてないの? 『おたんじょうびなの?』 密なスケジュールをこなすだけの日々を送るボクは 『おめでと』 誕生日を家族にさえ祝ってもらったことがなく きみだけが、折り紙で作った手裏剣を、くれたこと。 今でも宝物なんだ。 どんなときも肌身離さず持ち歩いていたらボロボロになってしまった。 ボクね。 もう、シホちゃんのない人生なんて、考えられない。 「ボクの奥まで、きみの刃。つきたててもらうから」 逃がさないよ、シホちゃん。 【END】