世にも歪な恋物語




 あの子が握った、消しゴム。

 あの子の香りがついてるハンカチ。


 つい、こっそり、ポケットに入れてもうた。


 ゴミ箱から拾った稚拙なラクガキだらけのノートも、持って帰ってきた。


 可哀想に。

 僕が執拗にかまったばかりに、みーちゃんは、イジメられた。


 手洗い場でびしょ濡れになってた体操着と、花壇で泥だらけになってた上靴は、うちで丁寧に洗っといた。


 あの子が見つける前に、僕が見つけた。


 このまま僕のものにしよ。


 あの子には新しいの買うたれば、ええし。