■優しいクラスメイト(Boy's side)
家に帰ると、手を念入りに洗い、制服のまま自室に向かう。
部屋に入り扉を施錠したあと、棚の鍵つきの引き出しを解錠した。
「ただいま。みーちゃん」
――――僕の宝物を眺めるために。
猫のイラストがついた、消しゴム。
シンプルな赤ペン。
シャーペンの芯。
水色のハンカチ、小さな上靴と体操着。
あの子が家に忘れたり、学校で失くしたと思い込んでいるもの。
それらは――――すべて僕がもろた。
もっと、あの子を感じたくて。
だんだん増えてきた。
僕の部屋に、みーちゃんの私物が。


