世にも歪な恋物語



「……本、読んだり」

 本当は、漫画を描くのが大好きで、一日中机に向かっていることもよくある。
 ……って言ったら、引かれるかな。

 優しいから、そんなことでは、引かないでいてくれるかな。

 どっちにしても、やっぱり、暗いって思われちゃうかも。

「どんな?」
「えっ……と」

 すぐに答えられないでいると「当ててみてええ?」さらに質問を重ねてくる。

 あえてのことだろう。
 わたしが言葉につまったから。

「恋愛ものやろ」
「!?」
「イケメンが出てきて。かわいがられるような――」
「ち……が……」
「そうなん? 女の子って、好きやん。キュンキュンするようなやつ」


 好きです、ハイ。少女漫画サイコウ。
 二次元男子にときめいた経験、数知れず。
 恋愛の知識は漫画からのみ得ている。

 でも、それを、知られたくはない~!